気ままに楽しむ アコースティックギター製作  

市販ギターにベースノートプレッサーを付ける④ CORDOBA STAGE Guitar (続き)

前回はベースノートプレーサーを取り付ける前の紹介でしたが、今回は取付後の紹介になります。
東京ハンドクラフトギターフェス2025に本品を出展するため準備していました残り時間が無くなってしまい、完成したのは展示会の前日(搬入日)の午後でした。完成するまでは上手くできるかどうかも分からなかったため祈るような心境でした。結局大きなトラブルも無く無事に展示会を乗り越えることができて本当に良かったです。

こちらがベースノートプレッサーを取り付けたコルドバのSTAGE Guitarです。

ベースノートプレッサユニットの取り付けはユニットの両端をヘッドとボディに取り付けます。
取り付け用の部品はこのギター専用に設計しています。やはりギター毎に専用設計が必要になります。採寸を入念に行い3DCADで設計しています。

心配の操作棒が入り込む四角穴の加工も無事行えました。削った部分の塗装は毎回苦労します。
ユニット取り付け用の部品とストラップピンが干渉しているのに設計時に気が付きませんでした。干渉部分を削れば良いのですが現状はストラップピンを外しています。

前回の報告で、ベースノートプレッサーはエレガットに相性が良いかも、ということを記載しました。
展示会に出したときはラインを通して音を聞く暇もなかったのですが、後日ラインでの音を聞いてみたところ、予想どうり相性が良いことを感じました。
ベースノートプレッサは動かすときにどうしてもノイズが発生します。そのノイズは主にLMガイドからのノイズになります。そのノイズを減らすためにLMガイドに特殊なものを使用したり、連結部に防振ゴムを入れたりして色々対策しています。それでも生ギターにベースノートプレッサーを取り付けると、生音を拡大する楽器である性質からどうしてもノイズも目立ってきます。しかし、今回のエレガットギターのラインを通した音はノイズが気にならないレベルになっています。
今回のエレガットギターはサドル下のピエゾピックアップとトップ内側(ブリッジの後ろ辺りに2個)のコンタクトタイプのピックアップを内蔵しています。ボディを振動させるタイプのギターではなく、弦の振動とブリッジ周りの振動を拾うタイプのギターであるため、ベースノートプレッサーのノイズがピックアップに伝わり難く、良い結果になったと思われます。
また、柔らかい弦であることもベースノートプレッサーの演奏性を向上させています。鉄弦のアコースティックギターの場合は弦のテンションが高いため、それを押弦するための力が必要で押弦部に強いバネを入れますが、その分操作棒を移動させるための親指の力も必要になります。柔らかい弦であれば親指の操作力も低減し演奏しやすくなります。現在はアコースティックギターの親指の操作力の関係から押弦するのは5弦6弦の2弦にしていますが、ナイロン弦ギターであれば3弦対応も可能かもしれません。例えば通常の6弦ギターで4弦5弦6弦の対応や7弦ギターにして5弦6弦7弦の対応、さらには8弦ギターで6弦7弦8弦の対応なども考えられますね。
この点ではエレキギターでも同じかと思います。今後エレキギターも検討していこうかと思案中です。何か案があればご教授いただけたら幸いです。