気ままに楽しむ アコースティックギター製作  

独立フレットをファンフレットに(2)(TP001)

まずは独立フレットのフレットを指板から外しました。
フレットに熱を与えるとフレットの接着材が緩みます。また、水分を与えるとフレットを抜くときにフレット溝がチッピングするのを防ぐことができるので今回はスチームを当てながらフレットを外しました。

下の様に120個のフレットを綺麗に取り外すことができました。

フレットを取り外した後、サンディングブロックで指板を整え中にサンディングの音で指板の端(サウンドホールの近く)でボディとの接着が剥がれていることに気が付きました。

確認するとこのTP001はネックをボディから簡単に外せるように考えて作ったギターでした。
それならばということでネックを取り外して見ることにしました。
ネックの接続はボルトを使用してますが普通のボルト接続とは違って円錐状の駒のクサビ効果で固定しています。
ボルトは難なく取り外すことができ、次は指板とボディの接着を剥がす作業です。
ボディの内側の指板の下に穴を開けてあり、その穴からスチームを入れることで指板の接着剤のニカワを溶かす構造になっています。
スチーマーにつないだホースの先端にはアルミパイプが付いていてこのパイプをボディ内部の穴に差し込んでスチームを噴射すると、指板の裏に掘ってある溝にスチームが流れ、指板とボディの接着部全体が熱せられる仕組みです。
やってみたところ、すんなり指板が剥がれネックをボディから取り外すことができました。
昨年、このスチーム溝構造にしていないギターの指板を剥がす作業をしましたが、その時はとても大変でした。ネックや指板を外すことはあまり無いとは思いますが、その時のことを思うと今後作るギターにはスチーム溝構造を採用して行こうと思います。